乳腺炎
乳腺組織、乳房の皮下組織に炎症が起きます
乳房に発赤や疼痛があり、39度くらいの高熱が出ることもあります
授乳中の方、喫煙者、陥没乳頭の方に多いです
☆一般的な乳腺炎
1 母乳がつまることによるうっ滞性乳腺炎
⇒自然に軽快したり、マッサージなどで改善することが多いです
2 炎症が強くなると化膿性乳腺炎となり細菌感染を伴うこともあります
⇒疼痛も強く発熱も見られます。抗生剤など内服薬での治療となります
3 さらに炎症が進むと乳腺膿瘍(乳輪下膿瘍)となり、しこりのような硬結を触れることがあります。この段階になると膿を出すための処置が必要となります
⇒針で穿刺したり少し切開して膿を出します。場合によりドレーンという管を留置し、その後も膿が外へ出るようにします
治療としては 1~2の軽度の段階では自然に改善することもあり、マッサージも有効な可能性があります
2の重症例や3の段階となると治療が必要となります
当院では膿がある程度たまっている場合はその場で穿刺、または切開を行います
軽度のものは抗生剤の処方を行い、ごく軽度の時は何も処方しないこともあります
☆腫瘤を形成するタイプのもの 肉芽腫性乳腺炎
乳房の中に腫瘤(しこり)を作るタイプの乳腺炎で乳がんと区別が難しい場合ものあります
膿瘍を形成することもあり、治療が数か月に及ぶこともあります
授乳中よりも、卒乳後数年で起きることが多く、乳がん疑って来院される方も多いです
治療としては膿がたまっているときは穿刺や切開を行い感染のコントロールを行い、
乳癌との区別が必要であれば組織検査を行います
治療としてステロイドの内服を行うこともあります
☆乳腺炎のような乳癌 炎症性乳がん
乳房皮膚の発赤、肥厚、疼痛などを認めす。乳腺炎に似ておりますが、乳房内部に癌を認め、皮膚の発赤、肥厚は癌の広がりによるものです
きちんと診断し乳がんとして治療することが必要です